本日はセミナーなどでよくご紹介しているMarkforgedで作ったリンク構造についての投稿です。実はこのリンク構造はMarkforged社のインターン生が、Markforgedで作った部品で10トントラックを持ち上げられるか?というテーマを持って試行錯誤をして作り上げたものです!
面白いことを考えますよね。それをインターン生にやらせてみるというMarkforged社の風土もユニークだと感じます。実際には最初のデザインは下の写真のような典型的なリンクチェーンに基づく構造でした。
このチェーンが一般的に製造される過程について面白い動画がありましたのでご興味のある方はコチラをご覧ください。
インターンがいくつかの初期プロトタイプのテストを開始すると、焼き入れ鋼で機能するものが必ずしも炭素繊維で機能するとは限らないことがすぐにわかりました。チェーンリンクは完全に同心円状の繊維充填で製造されているため、炭素繊維補強材は引張方向の力にのみ抵抗し、チェーンが伸びると、チェーンの側面が互いに向かって曲がる傾向があり、チェーンリンクが破損しました。下記の画像の青線が炭素繊維の配置になります。赤矢印方向の力が働くと座屈するのが予想できるかと思います。
この失敗に対応するべく、彼らは側面が座屈するのを防ぐために中央の補強部材を追加しました。その設計が下記の画像です。
この最終設計を使った結果は動画でごらんください。
見事に約10トンまで耐える様子が見られたかと思います。Markforgedで作った炭素繊維の部品が10トントラックを持ち上げる程の強度を持ちうることが示されました。
今回造形に使用したMarkforged X7の詳細はコチラをご覧ください。既にMarkforgedをお持ちで同じリンク構造を造形してみたい方は是非STLファイルをダウンロードしてみてください。
STLファイル